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張家港市、中華人民共和国 ツアーラスト公演 1999-12-03

午前11時、私達は今回のコンサート最終公演を張家港市で行うためバスで出発した。
移動時間2時間、私達はバスで仮眠をとる。午後2時ごろ目的地の張家港市に到着。
到着するや否や私達は会場入りする。

なんと、今までで一番立派な公演ポスターが会場の入り口に沢山貼られているではないか・・・。
私達のポスターの上には、スターウォーズファントムメナス中国劇場版の看板が飾られている。
おそらく午前中は映画の上映を行っていたのであろう。

現場入りした私達は劇場の中を見学。午後2時を過ぎているにもかかわらず、会場には何も用意されていない。
機材も見当たらない。

「・・・・・・・。」
なんか嫌な予感。

楽屋入りした私達はまた暖房のないことに気付く。こんなに立派な会場なのに・・・・。
このままでは疲れ果てているメンバーは寒さでやられてしまう。
中国人は「天気がいいから大丈夫」と言う。「おまえらどんな皮しとんねん・・・。」
半分きれかけていた私の顔を伺ったのか、すぐ中国人スタッフは楽屋に熱いお湯を用意してくれた。

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すごく立派な会場「張家港大劇院」

とりあえずメンバー全員で舞台のセッティング。寒さと疲れとストレスの中、全員黙々と自分の仕事をしだす。
舞台のひな壇を作る者、立ち位置をバミル者、 PAをセッティングする者、ケーブルをまとめる者。
それぞれバンドメンバー全員が自分達の舞台を作り上げていく。
どう考えてもバンドメンバーのやることではない。みんなそう考えていたはずである。
「あんな立派なホテル、メシ、などはもうええから最高の中国人スタッフと中国人エンジニアを用意せんかえ!!」
「寒いんじゃボケ!」と心の中で叫んでいただろう。
それでも最良のコンサートができるように何も言わずベストを尽くす。

今日は現地の用意が特別不充分である。努力してくれたらしいがきつい。


午後5時、会場にはまだバンドの音が響いていない。

午後6時、サウンドチェックさえも終わっていない。 あと1時間で開場の時間である。メンバーは頭を抱える。

午後7時前、なんとかメインスピーカーの音は出たが、モニターの音は返ってこない。
なんとかそれでも今日の公演は成功させたい。みんなそう感じていた。残りの時間最善を尽くす。

私はこっそり中国人スタッフに心を鬼にしてこう言った。 「今日の公演はできません。」
その時であった・・・!!!会場にロビーからドカドカと中国人観客が入ってくる。
「っ・・・!!!」
みんな何が起こったかわからずアタフタしはじめる。
なんと開場時間を超えた中国人スタッフが入り口に溢れたまった客を入れてしまったようだ。
ホールのステージは丸見え状態。客を戻そうとするが1000人近い客が押し寄せてくる。

「ステージの幕を閉めろ!!」私は叫んだ。
「会場の責任者は誰じゃ!!」私は怒鳴る。

張さん(天津文化局)はあわててホールマネージャーを呼びに行く。
「おのれ何考えとんねん!!」と怒鳴りつけたかったが、こらえて冷静に言った。

「このままじゃ今日の公演は無理です。でもなんとかします。でも一つだけ要望を聞いてください。
7時30分の開演時間を8時スタートにしてください。」

私はこう言うと、ホールマネージャーはこう言った。
「それは無理です。客が暴れだします。」

私も言った。 「じゃあ公演は無理です。」

すると彼はこう言った。 「7時45分からはじめられませんか?」
殴ってやろうかと思った。

「8時からにして下さい。」
やつはしぶしぶうなづいた。

そう決まればすぐ衣裳にの着替えにかかる。
そしてロックスターに楽屋で変身。着替えもぎりぎりである。

7時45分、楽屋口で中国人同士が喧嘩しまくっている。
温厚な周さん(蘇州文化局)がさっきのマネージャーに怒鳴りつけている。
どうやら客が待ちきれずに騒いでいるらしい。事件が起こると彼女の首が飛ぶ。

ヤバイ・・・。

私はメンバーに言った。 「よっしゃとりあえず行こう!!」用意が全然十分ではないが、ステージに向かった。

午後7時48分、会場に開演のベルが鳴り響く。泣いても笑っても今日のステージが最終公演。
コンサートは今まで最長の2時間30分のステージなる。

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我々のチラシが貼られていた舞台風景

コンサート最後、途中のMCでメンバー一人一人とからむ。それぞれはじめて客に喋りかける。

「おめーら最高だ!!」
口数の少ないメンバーまでもが客に気持ちをぶちかましていた。
会場は最高潮に盛り上がる。 なんとかステージはフィナーレまで持っていけた。
平和を祈り「諸世界充満愛」を観客と大合唱。 メンバー全員でカーテンコール。
メンバーで涙するものもいた。ステージ上で抱き合う。

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終演後、西野スティックにサインファンとの会話も弾んで

こんな感動は日本の活動では味わったことがなかった。言葉にできない気持ちとはこのことである。

終わった・・・・。いや、始まった・・・・。

頑張ることをあまり美学としない日本の若者の習慣に少し疑問を感じた。
苦しみの中には必ず喜びが隠されている。その喜びを勝ち取ったものは苦しみを決して怖れない。
喜びを最後まで諦めず追っかけられるか。それが大事でありそれを自然と感じることができた。

愛しき 中国よ
未知なる 中国よ
母なる 中国よ
すばらしき 中国よ

いつの日にかぼくらはここから脱出しあの濁った夜空に愛の銃弾を乱射する。
その光は星となり七色の幸せを描くだろうぼくの用意はできている。
さあ カギをにぎるのは   君だ・・・
                              「愛の銃弾」より

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にやけるほっくん宴会でついにでた!!「上海蟹」

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ご機嫌さん2名様

1999/12/03

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